2017年2月4日土曜日

去勢されたアベラールの妻、エロイーズ

詩人のアントナン・アルトーが当時恋人であったルーマニアの女優、ジェニカ・アナタジューに宛てた別れたい旨を告げる手紙を読んで、いつか私が愛する相手に別れたい旨を告げなければならない時のことを想像した。
今ぼくが言ったことはみな、ぼくがきみに抱いており、これからも変ることなく抱き続けると思われるつよい情愛や、抜き去りえぬ愛情とは、何の関係もないことを、はっきりと見抜いてくれるだろう 
だけど、この感情そのものは、人生の通常の流れとは何の関係もないのだ。 
ところが、この人生というやつは、生きなければならないのだ。 
ぼくをきみに結びつけているものがあまりにもたくさんあるから、関係を絶とうなどと言いはしない。 
ただ、われわれの関係を変え、それぞれ、別の生活を作りあげてみようと言いたいのだ。 
そういう生活を作りあげたところで、われわれがばらばらになってしまいはしないだろう。
いかにも私が言いそうなことだ
共感する

しかしアルトーは彼女から望むような反応は得られなかったようで、次の手紙でブチキレている。


私ははっきりと別れようと告げたことがない

はっきりと別れようと告げられたことならある

アルトーの手紙はどこか魅力的で

女占者への手紙の書き出しもよかった。
マダム
あなたは、生とまじりあってしまったような、貧しい部屋に住んでいらっしゃる。
私もこの生とまじりあってしまったような部屋で誰かから別れたい旨を告げる手紙が届くのを待っているのだと思う

0 件のコメント:

コメントを投稿