2016年5月25日水曜日

RCOがやってくる



ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団のドキュメンタリー映画を観た。
本当にいい映画で、色んな国の様々な人の人生とそれらを一つに結んできた音楽のことを考えて、少し泣いてしまった。

クラシック音楽を全く聴かない人でもこのオーケストラの名前をどこかで聞いたことがあるかもしれない。
ベルリンフィルやウィーンフィルに並ぶ、オランダの有名なオーケストラ

この映画はロイヤルコンセルトヘボウが2013年に行ったワールドツアーの様子をエディ・ホニグマンが撮ったドキュメンタリー
1年に50公演も行ったというからすごい。
ブルックナー7番に始まり、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、マーラーと様々な交響曲が登場する。
様々な国を旅する様は、ロードムービーのようでもあった

オーケストラのメンバーへのインタビューと、様々な国のクラシック音楽を愛する人たちへのインタビューとで構成されているのがとても良かった。
ブエノスアイレスのタクシー運転手、南アのスチールバンドで演奏する少女、黒人だからという理由でバイオリンを習えなかった音楽教師、サンクトペテルブルクに暮らす老人…
私とは生きている国も時代も生い立ちも全く異なる人たちで共感することすらできないのだけど、同じ曲を、同じオーケストラの演奏を聴いて強く心を動かされている、その一点で私と彼らが重なると思うと心強い気持ちになった。別々に生きているしわかりあえなくても、この瞬間は同じ旋律を聴いて感動している。今までもこれからも。

野外コンサート、アムステルダムの運河にのせての場面でも胸がいっぱいになってしまった
なんて素敵なんだ…もう…ぜひ観てほしいシーン

お茶目なコントラバス主席奏者がショスタコ10番について熱く熱く語るシーンがとても良かった。
それまで室内楽などでベースラインしか弾いたことがなかった14歳の時、初めて弾いた交響曲がショス10で、コンバスにこんなメロディが与えられるなんて!と衝撃を受けたという

主にマリス・ヤンソンスが振っていたのだが、途中でシャルル・デュトワが振るシーンもあった。
ヤンソンスが最近まで首席指揮者だったのが今年他の人に代わるらしい。

昔、私もアマチュアオーケストラの団員の一人だった
チェロを弾いていた
この映画に出てくるラフマニノフのパガニーニの主題による狂想詩も弾いたことがある。プロのソリストと共演できて嬉しかった。

オーケストラで弾いていると、オーケストラの中で音楽を聴くことができるのが楽しかった。
指揮者というかっこいい人種を観察するのも面白かった。普通ではない人が多いと思う。

クラシック音楽の好きなところは、昔から廃れる事無く何度も何度も演奏されてきた曲を今生きている人たちがまた演奏するところ、その営み。特に交響曲は沢山の楽器、沢山の人数を必要とするところ、その複雑さ。恊働するということ。他のジャンルの音楽からは得られない気分の高揚があること。

音楽と旅が好きな人、ぜひ観てほしい。

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