2017年8月28日月曜日

Documenta14 2017

Documenta14 メモ

1日目
フランクフルトから鉄道でカッセル中央駅にお昼頃到着。
Kassel Hauptbahnhofとは別にKassel Wilhelmshohe Bhfという駅もあるので注意。
bahnhofが駅という意味らしい。略してBhf
Hauptが中央みたい。中央駅は略してHbf
今回は中央駅近くに宿泊したため、中央駅に止まる列車でカッセル入りしたが、普通はヴィルヘルムスヘーエ駅にまず行くのかもしれない。
中央駅を出てすぐドクメンタ会場と過去のドクメンタの作品があるのでテンションが上がる。
今回観れなかったが、中央駅の中の映画館も展示会場になっていて映像作品を上映している。

まずはスーツケースを宿に預けた。
ドクメンタ会場はリュックサックなど背負うタイプの鞄の持ち込みが禁止の会場が多く、荷物預け場所もあるのだが、いちいち預けるのが面倒だったため、リュックは宿に預け斜め掛けの小さいポシェットとトートバッグで会場を周った。

事前に2-day ticket(€38)を購入。2日かけてドクメンタ会場を周るつもりだったが、1日目はカッセルに到着し宿に荷物を預け、ということで慌ただしく、また水の芸術(ドクメンタ時期でなくても毎年やっているが)を観に行ったため、2会場しか観れなかった。
Evening ticket(€10)という17時以降から観れるチケットもあるので、1日目の到着が遅くなりそうだけど展示も観たい場合はそっちを買った方が良さそう。
展示は大体20時まで。8月中旬のドイツは1920時くらいまで外が明るいのもよかった。

FORMER UNDERGROUND TRAIN STATION
documenta14 in Kasselは地下空間から始まる。
1会場め。カッセル中央駅前の広場にドンとコンテナが置かれていて、そのコンテナの中へ次々と人が入っていく。どんな展示なのか気になってまず最初に観た。
ここの入り口でまずはドクメンタ14の無料mapを入手。
けしてわかりやすい地図ではないですが、早めにこの紙mapを入手しておくと計画が立てやすいと思います。
昔、地下鉄の駅だった場所を展示に使っていて面白い。
線路の上を歩いて作品を観て周り、トンネルを抜けるとそこはカッセルの街。
NEUE NEUE GALERIEと導くサインがあったが、我々はBergpark WIlhelmshoheで行われる水パフォーマンスを観るため、いったんまた中央駅前へと戻った。


・水の芸術
中央駅前からバスに乗ってカッセル・ヴィルヘルムスーエ駅へ。
日曜日でDBinfoが閉まっていたこともあり、切符をどこで買えばいいかよくわからなかった。
そこからトラムで公園入口へ。
山をトラムで登っていくのは本当にたのしい。
そこからさらにバスに乗ってヘラクレス像へ。
もちろん公園入口から歩いて行くこともできるがこの後1時間以上にわたり水の芸術を鑑賞することを踏まえ、楽な方を選択した。
ようやく水の芸術のスタート地点であるヘラクレス像ふもとへ到着。
トイレはここで行っておくとよいと思います。
後は水の流れを追いかけながら1時間半くらいかけて公園を降りていった。
すごく人が多くてみんな水のショーを見終えたらどんどん移動していく。フジロックみたいだった。
一番最後は25mくらいの高さの噴水。


NEUE NEUE GALLERY
NEUEとは別にNEUE NEUEという会場もあるのでややこしい。
NEUE NEUEの方は昔郵便局だった場所を会場に使っている。
街の小さな郵便局の跡地みたいなイメージで行ったらめちゃくちゃ大きい建物で展示面積も広く、作品数も多かった。1フロアだけかと思っていたら、別のフロアもあり、結構見応えあります。
印象的な作品が多かったので、フリデリヂアヌム周辺のメイン会場プラスどこか1会場観るならここがいいかも。前述の中央駅前の地下鉄空間展示と併せて。
メイン会場と比べると新作が多い印象。


2日目
今日こそはメイン会場を観て回るぞ!という気合と共に起床。
泊まったホテルの朝ごはんがおいしかった。
というかドイツのホテルの朝ごはんはどこもソーセージとパンがおいしかった
室内の調度もかわいらしく、部屋に冷蔵庫ない以外は満点。

カッセル中央駅からメイン会場がある広場まで歩いて行った。
広い道をまっすぐ行くだけで着く。噴水があったりする。
この周囲の風景をよく見ておくと、後述する展示作品でおっと思える。

段々今回のドクメンタのシンボルである発禁本でできたパルテノン神殿が見えてくる。
近寄ってみると作りは雑だがなんでこの本が検閲にひっかかったのか?となど面白い。

GRIMMWELT KASSEL (グリム兄弟博物館)
メイン会場から少し離れたところにある。
ヴィルヘルムスヘーエ駅からトラム1本で行けますが、歩ける距離なので時間があれば歩いて行くことをおすすめ。
2015年にできたばかりの博物館。
ドクメンタ関連の展示スペースは少ないがおすすめ。
特にグリム童話に興味のある人、また博物館の展示計画に興味がある人は絶対訪れてほしい!
カッセルを訪れるまで知らなかったけど、兄弟が人生で最も多くの時間を過ごしたのはカッセルだったんですね。
とてもいい博物館、展示方法にも工夫があって、グリム童話の博物館ね~メルヘンな感じ?と思って行くと驚く。子供も大人も楽しめるような。
チケットのデザインもかわいい幾つかパターンがあり、人によって違う。
丘陵に馴染むような階段状の建物で、外階段から登れる屋上からは、カッセルの市街地が見渡せる。眺望の良いカフェもあるので休憩するにもいい。
博物館のあるWeinberg TerrassenにはRebecca Belmoreの作品、大理石でできたテントもあります。


MUSEUM FUR SEPULKRALKULTUR
グリム兄弟博物館のすぐ隣にあったので行ってみたけれど、良い建築。
髑髏が墓地で踊っているという図柄の博物館の旗を観てなんとなく理解したが、
美術館の名称であるSepulkralkulturとはラテン語で墓や埋葬を意味する「sepulcrum」と文化「kultur」から成る造語のようである。
死にまつわる文化を展示する美術館とはなかなかユニークだなと思う。
実際、ドクメンタ作品以外の常設展も面白かった。世界の埋葬方法とか。
テーマと反して、サンルームのように光の差し込む気持ちのよい、レベルの違いが面白い建築だった。
建物入ってすぐの展示室の、Prinz Gholamという2人組の映像作品が面白かった。
2人の男性が墓地で厳かに慎重に、でもどこかエロティックに絡み付くコンテンポラリーダンスのような動きをするみたいな内容。
後で調べてわかったことだが、このサイトに掲載されているの作品の静止画像をクリックすると、2人の「型」の元ネタを見ることができる。
ドラクロワなど、絵画作品から人物のポーズを抜き出して再現し、反復する。
映像作品と関連するドローイングも展示されていた。


NEUE GALERIE
入ったらちょうどOtobon Nkangaのパフォーマンスをやっていた。
メイン会場は旧作が多く、記録と閲覧、ドキュメント、歴史、コレクションという側面が強い。
ナチスもまた「アテネから学」んでいた歴史。
というかPiotr Uklanskiというポーランド出身の作家による『Real Nazis』というタイトルのナチス高官の顔写真がずらっと並ぶ作品の印象が強すぎる。
これがナチスの「顔つき」かという感想を抱いてしまったが、それってナチスの優生学思想と同じ考えだと気づいて何だかおそろしくなる。
関連してSergio Zevallosによる骨相学のプロジェクト『A War Machine』の展示も観ていて良い気持ちがしないが面白い。
ともすれば暗くなりがちな展示内容と、反対に明るく陽の差し込む白くまばゆい側廊
新しく改修されたばかりの綺麗なギャラリーである。

ORANGERIE
展示されている作品は建物内に映像作品が1点、屋外にAntonio Vega Macotelaの大型彫刻が1点だけだが、広大で気持ちの良い公園なので晴れていたらおすすめ。
イタリアン・ジェラートを食べながらメイン会場の広場へ戻る。

FRIDERICIANUM
ようやくメイン会場。普通はここを最初に訪れる人が多いと思うけど。
人が一番多く、作品数も多かった。
ギリシャの国立現代美術館の収蔵作品が展示されている。
深刻な現代アート疲れに陥り、1階のParliament of Bodiesという作品内で寝転がって休憩した。
建物を出て、右手にある地下への階段を降りるとBen Russellの映像作品が数点ある。

DOCUMENTA HALLE
観るべきものがあまりないので時間がなかったら飛ばしてもいいかなと思う。
入口入ってすぐのカナダのBeau Dickのファーストネーションズのマスク作品はちょっと面白い。Kwak' walaz族の酋長らしい。
バンクーバーを訪れた時に散々観たから新鮮味はなかったけど。
UBCの博物館はアクセス悪いけどおすすめです。
あとMIRIAM CAHNの小部屋もよかったです。

NATURKUNDEMUSEUM IM OTTONEUM
建物の前に大きな恐竜がいる。自然博物館か何かだと思う。
この会場に展示されていたAkinbode Akinbiyiの白黒写真作品がよかった。
その作品が載っているドイツのアート雑誌を買ってしまった。

GLAS-PAVILLONS AN DER/ON KURT-SCHUMACHER-STRASSE
ガラス張りの展示室の中には入れない。
外から作品を鑑賞する。
1部屋だけ室内に入れる展示があって、地下もあるので見忘れないよう注意。

・その他
アテネとの関連を感じさせる作品は多い。
GWにアテネ会場にも行っておくべきだったかとも思う。
カッセルの後、ベルリンを散歩していたらギリシャ料理屋が何軒もあってドクメンタで展示されていたもののことを考えた。

あと今年のヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ館のパフォーマンスは観たかった。
キュレーターはフリデリチアヌムの館長で、Anne Imhofによる『Faust』は金獅子賞を取った。私は動画や写真で観ただけ、それでもただならぬものを感じる。

PAPERMINTという小さなギャラリーに17時頃行ったら閉まっていた(たぶん15時とかまで)
メイン会場から近いがちょっとわかりにくい細い道にあるので注意。
近くに大きなミッキーのグラフィティがある。

TOFUFABRIKで佐川一政本人が自身の「パリ人肉事件」について語っているドキュメンタリーが上映されていると話題だったが、まあいいかなと思って観に行かなかった。なんで今?とかこのドクメンタで?という気もするし。白人女性への劣等感この会場はメイン会場から離れた場所にある。

全てを鑑賞し、理解しようとするのは無理だし、仕事でもなければその必要もないと思う。


カッセルの街と目に飛び込んでくるアートを楽しめばよい。

2017年7月24日月曜日

百年の散歩と散歩

夏に休みを取ってドイツ旅行に行く。
ということをあちこちで言い触らしている。

言い触らしていたらいいことがあって、ベルリンに行くならこの本がおすすめですよと親切な人が教えてくれた。


多和田葉子『百年の散歩』

タイトルを聞いてメモした時に「散歩」と入っているだけでもういい感じと思った。私は散歩が好き。でも百年も?
表紙も好きな感じ。よく見るとベルリンのシルエット。

ベルリンに行きます。もちろん。ベルリン初めて。
ベルリンに行かないでヴェネツィアに行くというプランもあるにはあったが
ベルリン。行ってみたいでしょう。やはり。

旅の主目的はカッセルであり、ベルリンは言わばついでなのだが、ベルリンにも行くと決めた時から私の頭の中ではベルリンベルリンベルリン…と鐘のようなものが鳴っている

ベルリンという街に最初に想いを馳せたのはたぶん『舞姫』を読んだとき
高校の教科書とかに載っていて。
ウンテルデルリンデン…頭の中で鳴り響いたことを今でも覚えている。国語の授業中。ただし『舞姫』の授業ではなかった。私はいつも教科書の授業に全然関係ないページを読んでいたような気がする。
ウンテルデルリンデン、この響き高校生はみんな好きだと思う。

本を手に取ってまず帯に書いてあることに惹きつけられた
わたしは今日もあの人を待っている、ベルリンの通りを歩きながら。
そして裏の帯にはこうある
都市は官能の遊園地、革命の練習舞台、孤独を食べるレストラン、言葉の作業場。
惹句だなあと思う。言語的高まり。

多和田さんの本をちゃんと読んだことなし。
群像の変愛小説特集に収められていた変愛小説は読んだ。驚きの。漢字が走りながら分解していく。
趣味をもたなければどんな魅惑の味も未だ口に入らぬうちに人生を走り抜くための走力を抜き取られて老衰する
という具合に。
あと「グレゴール・ザムザがある朝のこと、複数の夢の反乱の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっていることに気がついた」と訳していたのには驚いた。
なんかドイツ語でも小説を書いているらしいとか、ベルリンに住んでいるらしいということをは知っていた

表紙も奇妙でかわいいなあと思いながらページをめくり目次をみると、ベルリンの実在する通りや広場の名前が書いてある。擬似的な旅のはじまりにもうちょっとわくわくする。

カント通り Kantstraße
カール・マルクス通り Karl-Marx-Straße
マルティン・ルター通り Martin-Luther-Straße
レネー・シンテニス広場 Renee-Sintenis-Platz
ローザ・ルクセンブルク通り Rosa-Luxemburg-Straße
プーシキン並木通り Puschkinallee
リヒャルト・ワーグナー通り Richard-Wagner-Straße
コルヴィッツ通り Kollwitzstraße
トゥホルスキー通り Tucholskystraße
マヤコフスキーリング Majakowskiring

最後だけリングってなんだろうと思った。読めばわかる。輪になっている通りのことだった。
パリに初めて行ったときも思ったことだが、日常的に死者の名前が連呼されるというのは不思議な感じがする。
日本は森鴎外通りとか森茉莉広場とかない。
グーグルマップも死者の名だらけで
芸術や思想によりこの街を作り上げ、死んでいった人たちの名前が連なる。

読み始めようとして、一番最初の章のタイトルが「カント通り」であることにハッとした。
この夏、ドイツ国鉄でベルリンに着いた我々はまず、動物園駅という駅を目指す。
そしてそのツォー駅(ZOO)で降りて、カント通り沿いにある宿へと向かうのだ。

ベルリンに長く住んでいる日本人であるらしい「わたし」がカント通りにある「黒い奇異茶店で、喫茶店で」、男か女かもわからない「その人」を待ちながら言語遊びをしているところから小説は始まる。
小説に出てくる黒い奇異茶店はシュバルツェス・カフェのことらしい。
宿を探しながら、看板と窓に鸚鵡の電飾のあるその店も探そうと決めた。
FUTONという名のベッド屋も探す。しぇるしぇ。のん。あろ。だこ。
要するにすぐにこの小説に魅入られ、興奮していったん本を置き、ダンスを踊った。

もちろん、突然恋に落ちたが如く一冊の本に夢中になり、一晩で読み終えてしまうようなこともあるが、基本的に私は同時並行で複数の本を読み進めることを好んでいる
本をすぐ読み終えてしまうのはもったいないという価値観があり、なるべく長く読んでいられるようにもがく。恋の最初のときめきをなんとかして引き伸ばそうとするのに似ているかもしれない。恋の始まりはたのしい。相手のやることがことごとく心に響く。素敵に思える。本なら同時並行で読み進めても大丈夫。問題ない。

だからかもしれないが、本を読むという行為は私の中でさらに細分化されていて、それに合わせひそかに本が分類されている。

①寝る前にベッドに持ち込んで読む本、それらはベッドサイドに積まれ、夜ごと少しずつ読み進められる。眠れなくなるほど続きが気になる本はダメ。短編集やエッセイなどが良い。幻想的な文章も良い、続きを夢で見られるかもしれない。

②部屋をひとしきり片づけたあと、綺麗になった空間で紅茶を入れ何なら少しおやつも用意して、良い姿勢でソファに腰かけて読む本。休日の午後。日が落ちるまで本を読む以外のことは何もしなくていい。それらは常にきちんと本棚に収められ、ふいに選ばれ開かれたとしても驚かず、品行方正で、礼儀正しい。

③泣いている。絶望している。疲れて家に帰ってきてもう二度と何もしたくない。そういったとき現実逃避として読む本。狂っていたり怒りを湛えている方が良い。コートを着たまま読む。それらは座り込んでもう動けなくなったときにも手が届く範囲に無造作に積まれている。

④風呂で読む本。しわしわになる。古本屋で100円で買った文庫本。図書館のどうぞご自由にお持ち帰りください。それらは風呂場に置きっぱなしにはされないという最低限度の扱いを受けている。

⑤ご飯を食べながら読む本。お行儀がわるい。それらは食卓に置きっぱなし。子供のころ「ご飯を食べながら本を読むのはやめなさい」とよく怒られていたが今は誰も見ていないので怒られない。最近は実家に帰ると「ご飯を食べながら新聞を読むのはやめなさい」と言われる。新聞をたたんで脇に置く。それでも横目で短い記事を読んでいるのがばれる。

⑥勉強机に向かって読む本。難しい本。勉強の気持ち。それらは買っただけで勉強した気になることもあるので注意が必要。図書館で読むこともある。何かをすぐ参照しながら読みたいような時、図書館は本がいっぱいあって机が広くて無料で便利。

⑦会社の昼休みに読む本。はあんまりない。何の本を読んでいるのか訊かれたくないから。仕事関連の本を読んで熱意を演出することもある。

⑧外出先で読む本。電車の中で、公園で、喫茶店で、あの人を待ちながら、散歩の合間に、映画が始まるのを待ちながら、帰宅しながら、読み進める。重めの本と軽めの本、2冊あると良い。それは重量のことでもあるし、内容のことでもある。2冊あるとどちらか1冊を読み終えてもまだ1冊あるという安心感があるし、1冊がたとえつまらなかったとしてもまだ1冊あるし、気分に合わせて好きな方を読むことができる。厳密に言えば、これから誰かと会って話したり笑ったりする日に読む本と、外出するものの1日誰とも会わないで一人で美術館に行ったり映画を観たりする日に読む本も分かれている。

話がだいぶ逸れたがこの『百年の散歩』は短編集だから①かなと最初は判断したが(首尾よく行けばベルリンを散歩する夢が見られるかもしれないと思った、ベルリンに行ったこともないのに?)、少し読んでやはり⑧でしょうとなった。

そしてさらに言えば、外出するけれど誰にも会わない日の本でしょうと決めた。
東京をさまよう合間に本を読み進めると、本の中では「わたし」がベルリンをさまよっている。
誰に会うでもなく六本木をひとりでさまよっていた私が疲れて本を開くと「わたし」と私は似た様なことを考えている。
声をかけてくるのは、きっとわたしが捜している人ではない。公共の空間に身をさらし続けることに疲れてきた。しめった悲しさが背後に迫ってくる。閉じられた空間、守られた暖かい場所に潜り込みたい。
 この一節を読んで、もう今日はおうちに帰りましょうと自分の足に呼びかけた。

誰と会う約束がなくても、街に出て映画を観て、本を読んで、芝居を観て、孤独を食べ、散歩する。
街全体が本でもあり、劇場でもある。読み手によって解釈が変わる。
「わたし」は行く先々で、見えないものを覗き見る。それはベルリンならではの街の記憶であったりもする。

そしてベルリンのどこにいても絶えず想起され、言及される「あの人」
「あの人」は実在しているのだろうか…と半ば疑いながら読み進めていくと
気が付くと私の「あの人」について考え始めている
東京の散歩者、小さな革命家、私のヴァルター・ベンヤミン
「あの人」は今どこにいるの。
果たしてそんな人本当に存在しているのか。

私も「わたし」もお互い誰とも会わないまま1日が終わる。
会うということがとんでもない僥倖のように感じられてくる。
時間を決めて、場所を決めて、待ち合わせして、約束の時間を楽しみにして、会った後は、そのことを日記に書いて、何度も思い出して
しかし「わたし」はだんだんと諦め始める。
期待して、待っても、今日、あの人はきっとこないだろう。
百年の散歩を鞄に入れて散歩し、時々読むという日々を幾日か経て、私は本を読み終わった。

ベルリンに行く前に読んでよかった。
「わたし」の歩いた道をグーグルマップでなぞり、ストリートビューで見てみたりした。
私は「躓きの石 Stolpersteine」のこともこの本を読むまで知らなかった。ナチスの犠牲者の名が刻まれていて、その人たちがナチスに捕らえられるまで実際に住んでいた場所の前にそれはあるという。躓くたびに思い出すように。

私は田舎に住むことはできないと思う。
主人公と同様に、週末になると匿名の体になりたくてわざわざ都会の、しかも自分の住んでいない地区をうろうろする今の私には。
自分は孤独だと認めてしまうのは気持ちがいい。春だからこそできること。孤独だなんて最悪の敗北宣言ではあるけれど。友達が見つからなかった、恋人が見つからなかった、家族が作れなかった、仕事がない、住むところがない。そうなっても誰もじろじろ見たりしないから、平気で歩き回れるのが大都市だ。
「百年の、」と言いかけると「孤独」と口が言ってしまう。

 一番最後の章で「わたし」と「あの人」の関係性が明らかになって、それまで私は「わたし」を私に引き寄せて読んでいたものだから、私は誰か他人と一緒に暮らせるだろうかと遠い気持ちになった。
一緒に暮らすより、いつまでも街のどこかで待ち合わせたいような気がする。頭の片隅でもう二度と会えないことだってあるかもしれないと思って何度も顔を見ながら話したいような気がする。
もちろん恋の要素がときめきだけではないことを知っている。多くの時間を共有することで作り上げられた親密さとやすらぎには、ときめきの減少を補ってあまりある幸福感があるかもしれない。
でもどこかでときが永遠にめきつづける夢を見てしまう。



『百年の散歩』に登場する通りと広場

本を読み終えた後で、新潮に掲載された多和田葉子と堀江敏幸の対談「ベルリンの奇異茶店から世界へ」を読んだ。
堀江さんが目次裏の地図を、都市の遺伝子情報の顕微鏡写真みたいだと述べているのが面白かった。
散歩者は都市の遺伝子の綻びを見つけては顔を綻ばせ写真を撮ったりする。
フラヌールはドイツ語でいうとFlanierenらしい。
私は旅行先で、せっかくはるばる来たのだから全ての建築を全ての景色をすべてこの目で見てすべて写真に納めなくてはわわわわわわわ状態に陥り、とにかく焦ってしまいがちである。
この夏、ベルリンを訪れたら「わたし」を真似て少しでも百年の散歩をしてみたい。





2017年7月3日月曜日

2017,1-6 COMIC

1月
『かかってこいパリ』じゃんぽ~る西
『パリが呼んでいる』じゃんぽ~る西
『おとめ地獄~ヴァージニア・インフェルノ~』児嶋都
『さらば友よ』橋本みつる
『モン・プチ 嫁はフランス人』1~2巻 じゃんぽ~る西
『東京タラレバ娘』7巻東村アキコ
『魔術師A』意志強ナツ子
『クリスマスプレゼントなんかいらない』売野機子
『左ききのエレン』1~6巻 かっぴー
『噂のマカオで女磨き』花津ハナヨ

2月
『香港に引っ越しました』上野うね
『春の呪い』2巻 小西明日翔
『この世界の片隅に』全3巻 こうの史代

3月
『漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』窓ハルカ
『にくまん子大全集』にくまん子
とおくとおくとおくのほしきみはしらないしらないわたしのはなし』にくまん子
『考えるアシコ』にくまん子

4月
『qtμt』1巻 さやわか・ふみふみこ
『プリンセスメゾン』3巻 池辺葵
『東京タラレバ娘』8巻 東村アキコ
『お前は俺を殺す気か』1巻 シギサワカヤ
『忘却のサチコ』1巻 阿部潤
『左ききのエレン』7巻 かっぴー

5月
『あげくの果てのカノン』1巻 米代恭
『Stand by me 描クえもん』1巻 佐藤秀峰
『重版出来』1巻 松田奈緒子
『こいいじ』6巻 志村貴子
『WOMBS』1巻 白井弓子
『先生の白い嘘』7巻 鳥飼茜
『qtμt』2巻 さやわか・ふみふみこ
『スイートメモリー』吉田貴司

6月
『あなたのことはそれほど』1巻 いくえみ綾
『百合好きくんと百合好き好きくん』U-temo
『娘の家出』6巻 志村貴子
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』3巻 平尾アウリ
『凪のお暇』1巻 コナリミサト

上半期読んで面白かった漫画ベスト5
『魔術師A』
『かかってこいパリ』
『左ききのエレン』
『娘の家出』
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

2017年7月1日土曜日

2017,1-6 CINEMA

2017年上半期観た映画
1月
『永い言い訳』
『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
『PK』

2月
『将軍様、あなたのために映画を撮ります』
『ドント・ブリーズ』@渋谷シネパレス
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『この世界の片隅に』
『ソング・オブ・ラホール』

3月
『アスファルト』
『何者』
『Évolution』『Nectar』@ユジク阿佐ヶ谷
『花様年華』
『ラ・ラ・ランド』@吉祥寺オデヲン
『バンコクナイツ』@テアトル新宿
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

4月
牯嶺街少年殺人事件』@角川有楽町シネマ
『ムーンライト』@日比谷シャンテ
『スノーデン』
『たかが世界の終わり』
『すべての政府は嘘をつく』
『シチズンフォー スノーデンの暴露』
『コクソン』

5月
『時をかける少女』(1983) @逗子海岸映画祭
『君の名は。』
『グッバイ、レーニン!』
『お嬢さん』@渋谷アップリンク
『先生を流産させる会』
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』

6月
『ショコラ 君がいて、僕がいる』
『トレインスポッティング』
『夏物語』@角川有楽町シネマ
『サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ』
『はじまりへの旅』
『アラビアンナイト』パゾリーニ版
『勝手にしやがれ』
『未来よ こんにちは』
『Don't Blink ロバート・フランクの写した時代』


観てよかったベスト5
牯嶺街少年殺人事件
『バンコクナイツ』
ラ・ラ・ランド
『スノーデン』
『お嬢さん』

2017年6月30日金曜日

2017,1~6 BOOK

2017年上半期読んだ本

1月
『プリズン・ブック・クラブ―コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』アン・ウォームズリー

2月
『ヴァン・ゴッホ』アントナン・アルトー
『西瓜糖の日々』リチャード・ブローティガン
『夫のちんぽが入らない』こだま
『薄情』絲山秋子
『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美

3月
『転がる香港に苔は生えない』星野博美
『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介
『深夜特急 香港・マカオ』沢木耕太郎
『ロートレアモン全集』栗田勇訳

4月
『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ
『ドイツで100年続くもの』見市知
『三つの物語』フローベール
『ビニール傘』岸政彦

5月
『死の棘』島尾敏雄
『「死の棘」日記』島尾敏雄
『海辺の生と死』島尾ミホ

6月
『となりのカフカ』池内紀
『夏の嘘』ベルンハルト・シュリンク
『アウステルリッツ』W・G・ゼーバルト
『嘔吐』サルトル



読んで良かったベスト5
『プリズン・ブック・クラブ』
『大きな鳥にさらわれないよう』
『転がる香港に苔は生えない』
『やし酒飲み』
『アウステルリッツ』


2017,1~6 ART

2017年上半期観た展示・演劇・ライブなど

1月
北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-@すみだ北斎美術館
アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち@東京都写真美術館
TOPコレクション東京・TOKYO@東京都写真美術館
日本の新進作家vol.13@東京都写真美術館
篠山紀信 快楽の館@原美術館
David Bowie is@寺田倉庫G1ビル
5rooms 感覚を開く5つの個展@神奈川県民ホールギャラリー
DOMAN明日展@国立新美術館
海福雑貨@東林間

2月
ASA-CHANG&巡礼『まほう』ツアー@六本木スーパーデラックス
東葛スポーツ『東京オリンピック』@3331
アピチャッポン・ウィーラセタクン『フィーバールーム』@KAAT
小野寺修二(カンパニーデラシネラ)『信号がない!』@KAAT
MOTサテライト@清澄白河
恵比寿映像祭@東京都写真美術館

3月
在日ファンク~脱退根にもってます~@東京キネマ倶楽部
Art Basel Hong Kong 2017@香港展覧会中心
LINE IN TIME@香港 THE ANEXX

4月
パロディ 二重の声―日本の一九七〇年代前後左右@東京ステーションギャラリー
オルセーのナビ派展:美の預言者たち―ささやきとざわめき@三菱一号館美術館
草間彌生展『わが永遠の魂』@国立新美術館
横尾忠則『HANGA JUNGLE』@町田国際版画美術館
アブラハム・クルズヴィエイガス展『水の三部作 2』@メゾンエルメス
椿会展 2017-初心-@資生堂ギャラリー
日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン@パナソニック汐留ミュージアム

5月
ミュシャ展@国立新美術館
ソール・ライター展@bunkamura
柳本浩市展“アーキヴィスト-柳本さんが残してくれたもの”@six factory
ダヤニータ・シン“インドの大きな美術館”@写真美術館
Camera@恵比寿BATICA
片山正通的百科全書@オペラシティギャラリー
Abjects@幡ヶ谷heavy sick
The Neso@下北沢basement bar
Taicoclub@長野県こだまの森

6月
Block Party weekend@下北沢THREE
シベリア少女鉄道@赤坂RED/THEATER
アドルフ・ヴェルフリ展@東京ステーションギャラリー
N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅@森美術館
劇団サンプル『ブリッジ』@KAAT
ファッションとアート 麗しき東西交流@横浜美術館


行ってよかったベスト5
ASA-CHANG&巡礼『まほう』ツアー@六本木スーパーデラックス
東葛スポーツ『東京オリンピック』@3331
アピチャッポン・ウィーラセタクン『フィーバールーム』@KAAT
パロディ 二重の声―日本の一九七〇年代前後左右@東京ステーションギャラリー
柳本浩市展“アーキヴィスト-柳本さんが残してくれたもの”@six factory

2017年3月28日火曜日

転がるmariekkoに苔は生えない

「広島営業所の金澤です!」みたいにしっかり名乗る人よりも「広島(地名)金澤(苗字)です(早口)」みたいな人が多く、広島の金澤さんだったか金沢の廣島さんだったかすぐわからなくなるし外線からかかってくると「株式会社ヒロシマのカナザワさん」という可能性もあり混乱してしまい「ヒロシマカナザワさんからお電話です!」と発声して相手に判断を委ねてしまう…ということを考えていたら1日が終わった。つまらない。

旅行中は新しい発見がいっぱいあって本当に面白いし楽しかった。
今日新しく発見したことといえば、何回か打合せをしている取引先の人がジェイク・ギレンホール(それもナイトクローラー時の)にちょっと似ているなということくらいで、それだってナイトクローラーを思い出して3秒くらいニヤニヤした程度の面白さだった。別に楽しくない。

目覚ましが鳴って朝起きて会社に行ってみれば驚くほどあっという間につまらない日常に逆戻り、一日中会社で電話を取ったりマウスをカチカチしたり会議に出席して議事録を取ったりしていると、香港の街を散歩して「退勤~!」とか「室外機コレクション~!」とか言いながら写真を撮っていた昨日の自分や、マカオのカジノで「お金がどんどん消えていく~!」とか言いながらスロットを回していた一昨日の自分が本当に現実の自分だったか自信が持てなくなる。そして現実逃避的に次の旅のことを考え始める。次はドイツに行くつもりだ。

その前に備忘録として記しておきたいことがある。

~今回の旅行でわかったこと・香港編~
・やはりアートバーゼルの当日券は並ぶので、事前にHK Ticketingで買って会場のBox Office受け取りにしておいて正解だった。購入時のクレジットカードを出すだけで簡単に引き換えられる。まあBox Officeの場所がわからなくて訊いたりしたけど…
・アートバーゼル、ギャラリストやコレクターといったアート関係者によるビジネスの場というだけでなく、普通の若者たちがデートで来て、気に入った作品とセルフィーを撮るような雰囲気だった。
アートバーゼルの会場はとてもとても広いので時間に余裕を見ておくこと。(時間が全然足りなかった)
尖沙咀からのスターフェリーは上環行きと湾仔行きがあるので注意すること。(初めて乗るスターフェリーに浮かれて間違えちゃった)
・広東料理屋では最初にお茶でお箸やれんげを洗う。(知識としては知ってたけど戸惑った。上海料理屋では特に洗わないぽかった)
・香港空港はひろーいゲートとおーいので、早めに空港へ行っておくこと。お土産を買ったり食事をしたりしたいなら、出発の2時間前といわず3時間前に着いておいてもいいかもしれない。(2時間前着でお土産買ったらちょっと焦った)
・空港の奇華餅家(パンダクッキーが売ってる店)は混んでて並ぶので、荷物預けて飛行機に乗る人は街中で買っておいた方がいいかも
エアポートエクスプレスの往復券のバウチャーを事前に手配している場合、行きに九龍駅で降りてバウチャーを引き換えると、帰りも九龍駅からの乗車になるので注意すること。でも香港駅から九龍駅はメトロで1駅なので焦る必要はない(ちょっと焦った)

~今回できなかったこと、次行ったらしたいこと・香港編~
・時間に余裕のある時にのんびりトラムに乗る。2階の席は見晴しが良いが降りるときちょっと怖そう・焦りそう
菠蘿飽a.k.aパイナップルパンを食べる。最後のチャンスとして空港の翠華餐廳で食べようと思ってたらなかった…
・アート作品がたくさん飾られているフレンチレストラン、Biboに行ってランチする。シャンパンフリーフローしたい。web予約ができるみたい。
・インベーダーのグラフィティを探してフラッシュする。今回1つも見つけられなかった。
Quarry Bayのモンスターマンションに行きたい。大山なんとかの文章は読んでてイライラするが大山なんとかが取り上げる事物には興味があるというジレンマがある。所詮同族嫌悪なのかもしれない
・Yum Chaにまた行って今回食べれなかった鳥カゴの中の鳥飲茶と黄色いカスタード飲茶にチャレンジしたい。チェックシート方式だし英語表記あるし、かなり注文しやすかった。
・60年代の香港の喫茶店を再現したというスタバに行ってみたい
・もちろん美都餐室にも行ってみたい
・上環のビールの店craftissimoに行ってみたい
・『転がる香港に~』に出てくる深水埗を散歩したい
・今回遠目に観ただけのザハの香港理工大学をちゃんと見学したい
・中環あたりの現代アートのギャラリー巡りしたい。アートスペースも色々ありそう。

~今回の旅行でわかったこと・マカオ編~
・8時半にチムサーチョイのフェリーターミナルに着いたが、買える当日券は12:30~だった。やはり事前にフェリーを予約しておいて正解だった。紙のEチケットとパスポートを窓口で出すだけで簡単に引き換えられる。
香港からマカオに行くときは香港入国時の控えが出国カードの代わりとして必要だが、失くしてしまっても出国カードをまた書けばOKなので焦る必要はない(めちゃめちゃ焦った)
・マカオの出入国カードは特になし。
・マカオから帰ってきて香港入国時にまた入国カードを書く、その控えをまた出国時に出す。
・カジノのあるホテル行きの無料シャトルバスは便利。フェリーターミナルから街の中心地まで簡単に行ける。乗る時に年齢を訊かれる。カジノ内を通らないと出られないのでおそらく未成年はバスに乗れない。
・セナド広場へ歩いて行けるグランドホテルリスボアの場合、行きの無料シャトルバスは誰でも乗れるが、帰りはバスチケットが無いと乗れない。バスチケットはカジノ2階中央部のバスのカウンターで配布しており、別にカジノを利用していなくても欲しいと言えば貰える。このカウンターの場所がなかなかわからなかったが、カジノのスタッフに訊けば親切に教えてくれる。

~今回できなかったこと、次行ったらしたいこと・マカオ編~
・ポルトガル料理を食べたい
・ポルトガルワイン飲みたい
・エッグタルトをまた食べたい
・夜のライトアップされたマカオも観てみたい
・カジノには興味がなかったけど、カジノ建築はかなり面白いのでカジノが集まるエリア、今回行かなかったタイパ、コタイ、コロアンの方にも行ってみたい
・カジノで稼ぐ(無理そう)

ざっとこんな感じ。
またアートバーゼルに行って今度はゆっくり観たいし、11月くらいにある香港のフェス(結構メンツがいい)に行くのもいいかもしれないと思った。
少なくともM+が完成したら絶対また行く。
香港・マカオ間が車で片道30分で行けるようになる世界最長の橋を今工事中らしいので、マカオもまた行ってみたい。