2017年2月25日土曜日

絶叫するプレミアムフライデー

金曜日
パキスタンの音楽ドキュメンタリー映画を観た
シタールという楽器の音
家に帰ってから狂ったようにジャズばかり聴いた

土曜日
タンザニアで作られた小さなカリンバを演奏した
秘密の洗濯層掃除を済ませ
買ったばかりの白いテーブルで小説を読み終えた

日曜日
千匹の犬があなたを見ています
オレンジワインを飲み、鹿と鴨を食べた
パン・デ・ピス・ナチュール

月曜日
恐怖の恋する惑星お母さん
確定申告しなくちゃ
1週間に1度だけ寝坊をしない人

火曜日
フランス映画を観て寝たことはない
パエリアの下に敷かれる詩集
ついに流れるカヴァレリア・ルスティカーナ

水曜日
映画を観に行かなかった
フランス語を聴いて眠くなったことはない
愛してくれた人を爆殺

木曜日
文字を拾いたい、文字を拾いませんか
使わなくなった、絵の具売ります
恋の・耐用年数

そして絶叫するプレミアムフライデー

2017年2月18日土曜日

金曜の夜が好き

金曜日
雪が降って寒かったので早く帰ってお風呂にお湯をためた
お湯につかりながら録りためたテレビ番組をみた
地下アイドルって大変

土曜日
劇場で光に包まれフィーバー
ふつう人と共有できない夢の世界を見知らぬ人たちと共有したという感じ
神保町で揚げたい焼きつぶあんを買い食い

日曜日
光があるうちの外出に成功しガラスの家を目指した
妄想でつくられたカレーを食べた
メタルめしは食べていない

月曜日
小説の感想をよくツイートするけど
作家にも担当にも読まれていると思うと

火曜日
コンビニで買ったチョコを純喫茶で渡すタイプ
夫さんの正体がクドカンでウワー!となった

水曜日
この世界の片隅に私を見つけてくれてありがとうと言いたい
映画を観ただけなのに悲しくて 悲しくて とてもやりきれない

木曜日
たらればとか 知らねえよ 汚ねえやつは おえっぱ
悲しいことが 多すぎて 本当のこと 忘れちまいそう

平日って2行しか書くことがない
あっという間に金曜日
休日は3行じゃ足りない

2017年2月10日金曜日

stay tune in 東京 friday night

金曜日
会社を急いで出て六本木へ行った
六本木ヒルズの近くのライブハウスでライブを観るために。
明るくなったら知り合いがたくさんパッピパッピいたのでびっくりした。

土曜日
起きたら小さな箱が届いた
鋏を買ってお芝居を観てコップでワインを飲んで羊を食べた。
あれはお芝居というのだろうか。

君曜日
裸の男性の前でよく切れる鋏を出してはいけない
モロッコ人と日本人のハーフのお姉さんは可愛い
遠く離れた場所で同じ歌を歌っている人のことを考えながら歌う

月曜日
先輩の卒業設計を手伝っている時の気持ちを思い出した
これってもしかして終わらないのでは
でも一つずつ進めるしかなくて冷めたコーヒーをがぶ飲みする

火曜日
好きとか嫌いとか欲しいとか
気持ちいいだけの台詞ばかり口にしている
丸い鋏で美しい女性の眼ばかりくりぬいて

水曜日
いつものように映画館へ行って映画を観た
誰の母にもなれない気がした
見てパンが虫みたい

僕曜日
目が覚めたら9:25でもう無理だと思った
9:30に家を出て9:58には自分の席にいた
雪が降るなか自己タイムベストを更新

そしてまた何もできないまま金曜日 おっおー

月曜の夜

2017年2月4日土曜日

去勢されたアベラールの妻、エロイーズ

詩人のアントナン・アルトーが当時恋人であったルーマニアの女優、ジェニカ・アナタジューに宛てた別れたい旨を告げる手紙を読んで、いつか私が愛する相手に別れたい旨を告げなければならない時のことを想像した。
今ぼくが言ったことはみな、ぼくがきみに抱いており、これからも変ることなく抱き続けると思われるつよい情愛や、抜き去りえぬ愛情とは、何の関係もないことを、はっきりと見抜いてくれるだろう 
だけど、この感情そのものは、人生の通常の流れとは何の関係もないのだ。 
ところが、この人生というやつは、生きなければならないのだ。 
ぼくをきみに結びつけているものがあまりにもたくさんあるから、関係を絶とうなどと言いはしない。 
ただ、われわれの関係を変え、それぞれ、別の生活を作りあげてみようと言いたいのだ。 
そういう生活を作りあげたところで、われわれがばらばらになってしまいはしないだろう。
いかにも私が言いそうなことだ
共感する

しかしアルトーは彼女から望むような反応は得られなかったようで、次の手紙でブチキレている。


私ははっきりと別れようと告げたことがない

はっきりと別れようと告げられたことならある

アルトーの手紙はどこか魅力的で

女占者への手紙の書き出しもよかった。
マダム
あなたは、生とまじりあってしまったような、貧しい部屋に住んでいらっしゃる。
私もこの生とまじりあってしまったような部屋で誰かから別れたい旨を告げる手紙が届くのを待っているのだと思う